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審査結果のお知らせ|大阪-ハンブルク友好都市35周年記念 アーティスト派遣プログラムについて
この度は、本プログラムへのご応募、また、多くのご関心を寄せていただきまして誠にありがとうございました。3名の審査員による、書類審査・オンライン面接のうえ、下記の通り、派遣アーティストが決定致しましたのでお知らせいたします。2025年8月中旬~10月中旬にHyper Cultural Passengerでの滞在を予定しております。
■アーティストレジデンス会場
Hyper Cultural Passenger
Web: https://www.hyperculturalpassengers.org
[派遣アーティスト]
国本真絵 / Kunimoto Mae
[経歴]
1996 大阪生まれ
2021 大阪芸術大学工芸学科金属工芸コース卒業
[主な展覧会]
2024 個展「CHILDHOOD」gekilin. / 大阪
グループ展「OSAKA DOPE!」渋谷ヒカリエ / 東京
2023 個展「OUTLINE」gekilin. / 大阪
[国本さんコメント]
訪れたことのない土地であっても、マップでどんな街なのか大体を網羅できる時代ですが、やはりその中に住む人々の様子や空気感は現地を訪れてみないと知ることができません。その土地の一員となることでその街を内側から観察し、実直な目線でハンブルクという街を見渡して街の人々と交流することができたらと考えています。
[作家ステートメント]
物事を理解しようとするとき、私達は周囲の環境や多量の情報から要素を拾いながら相対的に判断しています。情報の取捨選択には先入観や印象が介入してしまい、輪郭を歪めてしまうこともあるでしょう。できるだけその輪郭を正確に認識するためには、丁寧な観察を連続させることが重要なのではないかと考えます。
手を加えた分だけが如実に形に表れる金属素材を用いて、輪郭を丁寧に選択することを試みています。
◆ 審査員コメント ◆
大下裕司 氏 / 大阪中之島美術館 学芸員
いずれの応募作品も、各作家の得意とする制作方法を活かした提案だったと思います。それぞれのスタイルやコンセプトに基づいた滞在プランはどれも素晴らしく、選考は非常に難しいものでした。アーティスト・イン・レジデンスは、その土地に滞在することで場所や人に触れて学び、新たな観点を作品に生むプログラムという面もあります。ハンブルクに滞在すること自体が目的にならずに、滞在で何を得て、そして作家自身あるいは作品にとって何かの契機になることを予感させるプランが最終選考に進みました。
プレゼンテーションでは語学力も問われながらも、積極的に「自分のしたいこと」をはっきりと示した二名のアーティストに票が集まりました。人と人とのコミュニケーションは能力によるところもありますが、当然ながら気持ちや熱量も問われてきます。どの作家のプランも非常に洗練されていましたが、最後は実現可能性だけでなくハンブルクで地域や人と関わり、どのように作品や作家自身を「変化」させるかを期待させるプランが選ばれました。よい滞在になることを願っています。
Enzio Wetzel 氏 / ゲーテ・インスティトゥート・ヴィラ鴨川 館長
I am impressed by the poetic and somewhat vague style of expression that characterizes some of the works. The artist is content with allusions or subtle hints and spends his time on cheerful, carefree activities. I was struck by the almost complete absence of drastic, strongly expressed messages – without the voices being irrelevant as a result. I really liked the fact that there was a clear, strong sense of artistic and technical balance in everything. Finally, the most important thing: everyone wanted to do something with the people of Hamburg, it was a genuine part of their artistic concept to set off together with others. I would wish everyone to come to Hamburg, if not now and on this occasion, then at another time, on another occasion.
Michael Kress 氏 / Hyper Cultural Passenger ディレクター
The first selection for the Hamburg Scholarship for artists from Osaka was an intensive journey through the art landscape of the Japanese cultural metropolis. All applications showed unique and intensive creativity. The high quality of the artists’ works was consistently extraordinary, showing how diverse and lively the art scene in Osaka is. As different as the media and techniques are, what all the works have in common is an intensive examination of the themes of our time.
These artistic approaches gave new impetus to the exchange between art in Hamburg and Osaka. Contemporary art and culture live from their protagonists, and sustainable cultural promotion makes this vital work possible.
As a jury member, it was not easy to make a selection, as each of these wonderful artists deserved this new scholarship.
We look forward to this year’s artist-in-residence and hope for a long-lasting collaboration with the artists and the art world from Osaka.
web: https://www.hyperculturalpassengers.org